活字地金彫刻師・清水金之助さん米寿記念実演会



なんと清水さんがその場で彫られた種字を頂いてしまいました!!
宝物にさせて頂きます。
唐突でしたが、
先日、活字地金彫刻師・清水金之助さんの米寿記念実演会(大田文化の森)に行ってきました。
「活字地金彫刻師」とは、「種字」を手彫り且つ原寸で凸刻する職人さん。
「種字」とは、活版印刷で使用する活字のもととなる母型(凹型)を作るための、
さらにもう一段階もととなる大元の活字。
もう少し噛み砕くと、
活字地金彫刻師が彫る→種字(逆字)→母型→活字(逆字)
の流れです。
上記に記した様に種字は左右逆字です。
そうです逆なのです。逆ですよ?信じられますか?
「活字種字地金彫り」は「直彫り」とも呼ばれますが、
本当に小さいものに清水金之助さんは下書きも無く淡々と同じ高さで逆字を彫っていくんです。
よくわからないけど彫るだけなら誰かしら出来そうだと思った皆さんにもう一つ、
活字とは基本的に一字で完結して使用するものではないので、
文章として組んだ際に文字の大きさや書体の特徴、位置といったものが
違和感なく並ばないといけないのです。
しかも逆字です。
いつも通りの格好でいつも通りの道具でいつも通りの照明で淡々と彫り始めた清水さんは
「彫っている間もいつでも質問してくださいね」とおっしゃってましたが、
周りを囲んでいる人たちはその「神業」に吸い込まれ、
いつしか息すら出来ないぐらい黙って見入ってしまっていました。
そんな中、私や周りの方々が清水さんとの会話で印象に残っていることの中に、
「筆を持つと手が震えるけど、彫刻刀を持つと手が震えない。」
「新しい書体や花形であっても見れば彫れる。」
「年々巧くなっていく。自分でも驚いている。」
「何時間彫っても、まったく肩がこらない。」
「現役引退後、40年ぶりに彫ったら簡単だった。」
「もう一生彫り続けます。」
等々、天性の才能と尋常じゃないであろう努力の結晶から導き出された
このコトバに喝を入れられました。
予定があり二次会には参加出来ませんでしたが、
帰り際に「活版を残そうと微力ながら活動を始めました。」とお伝えしたら、
清水さんから
「あなたが企画して、私を呼んでください。この方法を出来るだけ多くの方々に伝えたいから。」
と贅沢なお言葉を頂戴しました。
現代のデジタル文字の原型がこの手から生まれたかもしれないと思うと、
是非生でみんなに見て感じて欲しいと思うのでした。
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